宗像久嗣の研鑚

イラストレーター兼デザイナ兼IT雑用係。気楽にやろう。

CLIP STUDIO PAINT PROからPhotoshop形式(PSD)で保存した際の合成モード(レイヤー効果)について 2016年4月版

2016年4月20日に、CLIP STUDIO PAINT EX/PRO/DEBUT(以下クリスタ) のVer.1.5.5が公開されました。このアップデートでは、合成モードに「ビビッドライト、リニアライト、ピンライト、ハードミックス、除外、カラー比較(暗)、カラー比較(明)、除算、色相、彩度、カラー、輝度」が追加されています。

さてこの合成モードですが、以前から「CLIP STUDIO PAINT PROからPhotoshop形式(PSD)で保存してPhotoshopで開いた場合、(一部特殊な設定をしていた場合に)色味が変わってしまう」という現象がありました。それが直っているのかな…と期待してたのですが、結論から言うと直ってませんでした

しかし以前に書いた記事の修正方法は健在でしたので、今回は改めて図入りで詳しく調べてみたいと思います。

合成モード・レイヤー効果の名称の違い

まずは下の図を見てください。

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Photoshopにはあってクリスタにはない名称のものは、「ディザ合成」「覆い焼き(リニア)-(加算)」。

逆にクリスタにはあってPhotoshopにはない名称のものは「覆い焼き(発光)」「加算」「加算(発光)」。

これらを設定して互いのファイルで読み込んだ時、どのようなことになるのか。同じ名称の効果でも何か違いは出るのかを調べていくのが今回の実験です。

ちなみにクリスタでは「合成モード」、Photoshopでは「レイヤー効果」と呼称しますが、本記事ではまとめて「レイヤーの効果」と呼ぶ所もあります。

検証方法

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左の絵に右のレイヤーを載せて、それぞれの合成モードを設定します。

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その際、合成モードを設定したレイヤーを、レイヤーパレットの右上にある不透明度で「50」にしておきます。これが上記で書いていた「特殊な設定をしていた場合」です。特殊と言いながらも、私は頻繁に不透明度を調整して効果を微調整したりしていますし、そのような方も多いようです。

結果

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↑これはCLIP STUDIO PAINT PROからPNGで書き出したもの。

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CLIP STUDIO PAINT PROからPSD形式で書き出し、Photoshopで開いたものをPNGで書き出したもの。

こういった間違い探しは、ふたつの画像を重ねて、上のレイヤーに「差の絶対値」を設定すると便利です。

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差があるものだけが浮き出ています。どうやら「覆い焼き(発光)」と「加算(発光)」に違いが出ているようです。

「覆い焼き(発光)」と「加算(発光)」の違い

まず「覆い焼き(発光)」はPhotoshop上では「覆い焼きカラー」に変換されていました。「覆い焼き」も同じく「覆い焼きカラー」に。「加算」は「覆い焼き(リニア)加算」になり、「加算(発光)」も「覆い焼き(リニア)加算」になっています。

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見比べると違いは一目瞭然。

下のクリスタはギラギラに光ってますが、上のPhotoshopはうっすらと光ってるようなそうでもないような感じです。なぜこのような事が起きるのでしょうか。

理由

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(左)はPhotoshopで読み込んだ時のレイヤーパレットです。クリスタで設定した不透明度「50」が引き継がれており、一見正しいように思えるのですが…。

まず、Photoshopのレイヤーには「不透明度」「塗り」という二通りの透明度が設定できます。一つめの「不透明度」というのは”レイヤー効果などもすべて合わせた透明度”なのに対し、「塗り」は”純粋にレイヤーに描写した塗りの透明度”になります。実はこれがポイントで、クリスタの「不透明度」とはPhotoshopの「塗り」のことなのです。
つまり、クリスタで「不透明度」を70にしていた場合、Photoshopで開くと「不透明度」が70になっているので、これを100に戻し、「塗り」を手動で70にします。これでクリスタと同じ絵になるはずです。

面倒なので説明は前回から引用しましたが、そういうことのようです。

今回は値が50ですが矢印のように入れ子にしてやります。

修正結果

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どうでしょう? Phtoshopとクリスタでの差がなくなりました。

もう一個実験

さて今度は逆に、Photoshopで「ディザ合成」を設定し、「塗り」を50、「不透明度」を100にしてPSD保存、クリスタで読み込んでみましょう。

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クリスタには「ディザ合成」は無いので、「通常」として読み込まれた上、不透明度は「100」のままでした。当たり前の結果といえばそうですが。

結論

・クリスタで合成モードと共に不透明度を弄った時、かつPhotoshopで読み込む場合はひと手間必要になるので注意しよう。

前回記事でも触れました調整レイヤーを使った場合の差も調べておきたいところですが今回はここまで。